内窓は効果ない?後悔する原因を3つのパターンに分けて解説
内窓の設置を検討していると、「効果がなかった」「思っていたのと違った」という声が目に入ってきます。決して安い工事ではないので、同じことにならないか気になるのは自然なことです。
この記事では、効果がないと感じる状態を3つのパターンに分けて整理します。製品の性能が足りていない場合と、期待していた変化の種類がずれていた場合とでは、確認すべきことがまったく違うからです。当社の施工事例と、当社が公開しているシミュレーターの前提条件をもとに、どこを見れば見通しが立つのかをお伝えします。
この記事は、日栄商工株式会社(屋号:プラスサーマル)代表取締役の末松 竜太が執筆しています。専門は断熱リフォーム・住環境改善です。2026年8月29日作成・最終更新/本記事は2026年8月時点の情報に基づきます/読了の目安 約10分
出典・参照:当社施工事例(町田市南成瀬・2026年6月施工)、夏の冷房費シミュレーション(前提条件の記載)、断熱リフォームのよくある質問
内窓を入れても効果がないと感じるのは、なぜですか?
効果がないと感じる状態には、性能が足りていない場合と、変化はあったのに期待した方向と違った場合が混ざっています。同じ言葉で語られますが、原因も対処もまったく別のものです。
内窓は、今ある窓の内側にもう一枚窓を設けて、あいだに空気の層をつくる工事です。窓から出入りする熱を減らすことが目的なので、窓以外の場所から熱が出入りしている分には手が届きません。ここを最初に押さえておくと、後から「効かなかった」と感じる範囲がかなり狭くなります。
図1:「効果がない」と感じるときの3つのパターン
パターンA:窓以外からの熱の出入りが残っている
玄関、壁、床、天井、換気口などからの熱の出入りは、窓の工事では変わりません。窓を直しても部屋全体の体感が思ったほど変わらない場合、ここが残っていることがあります。
パターンB:施工した範囲の外から影響を受けている
一部屋だけ工事した場合、廊下や隣の部屋、階段まわりの空気の影響は残ります。ドアを開けたときに戻ってくる冷たさは、施工した窓のせいではありません。
パターンC:期待していた変化の種類がずれていた
暖房が要らなくなることを想像していた場合と、暖房の効きが良くなることを想像していた場合とでは、同じ結果でも受け取り方が変わります。
出典:当社の施工相談で実際に伺う内容を分類したものです
3つのうちどれに当たるかで、次の一手が変わる
パターンAであれば、窓に手を入れても解決しません。壁や床、天井の断熱まで含めて考える必要があり、費用の規模も変わります。パターンBは、施工する範囲の決め方を見直すことで解決できます。扉を閉めて使える部屋に絞る、あるいは隣接する空間もまとめて工事するという判断です。パターンCは工事の内容ではなく、事前の説明で防げるものです。
当社が現地調査でお部屋の使い方や困っている場面まで伺うのは、この3つのどれに当たるのかを工事の前に見極めるためです。ここが合っていれば、同じ費用でも満足度は大きく変わります。逆にここを飛ばして窓の枚数だけで見積もりを作ると、工事そのものは正しくても、期待とずれた結果になることがあります。
効果を打ち消してしまう原因には、どんなものがありますか?
窓の性能そのものよりも、使い方や施工範囲の決め方が結果を左右することがあります。ここでは実際に確認できる条件を挙げていきます。
効果には上限があることが、前提条件に書かれている
当社が公開している夏の冷房費シミュレーションには、前提条件が明記されています。そのひとつが、削減率に3割の上限を設けているという点です。これは過大な表示を避けるために設定しているもので、窓の工事だけで光熱費がゼロに近づくわけではないことを、こちらから先にお伝えしている部分でもあります。
同じページには、設定温度を基準から1度下げるごとに使う電力がおよそ13パーセント増えるという前提も書かれています。窓を直しても設定温度を大きく変えてしまえば、請求額の見え方は変わってしまいます。効果を確かめたいときは、工事の前後で使い方をそろえて比べるのが確実です。
図2:内窓の効果を左右する条件
| 施工した窓の枚数と範囲 | 同じ部屋でも、大きな窓だけ工事して小さな窓を残すと、残した側から熱が出入りします |
|---|---|
| 部屋の使い方 | 扉を開けたままにしている、隣の部屋と一体で使っているといった状況では、施工範囲の外の空気が入ってきます |
| 冷暖房の設定 | 設定温度を1度下げるごとに使う電力はおよそ13パーセント増えるとシミュレーターの前提に記載しています |
| 水蒸気の出方 | 結露は室内の水蒸気の量にも左右されます。洗濯物の室内干しや加湿の状況によって、窓まわりの見え方は変わります |
| 窓以外の断熱 | 壁や床、天井の断熱は別の工事です。窓だけを直しても、そこからの熱の出入りは残ります |
出典:当社シミュレーションページの前提条件(2026年8月20日確認)および当社の現地調査で確認している項目
製品の選び方が条件に合っていないこともある
内窓に使うガラスにはいくつか種類があり、選ぶものによって熱の伝わりにくさが変わります。当社が町田市南成瀬で施工した事例では、リクシルのインプラスの引違い窓にLow-E複層ガラスを組み合わせています。同じ内窓という呼び方でも、中に入るガラスが違えば結果は変わります。
あわせて確認しておきたいのが、補助金を使う場合の製品要件です。国の先進的窓リノベ2026事業では、事務局に登録され性能要件を満たすことが確認された製品を使った工事だけが対象と公表されています。価格だけで製品を決めてしまうと、補助の対象から外れたうえに、期待していた性能にも届かないという二重の取りこぼしが起こりえます。
費用を抑えた分だけ、効果の範囲も狭くなる
当社のよくある質問では、窓の断熱リフォームであれば数万円から対応できる一方、家全体の断熱では数十万円から数百万円かかる場合もあるとお伝えしています。金額の幅がこれだけ広いのは、手を入れる範囲が違うからです。1か所だけの工事で家全体が変わることを期待すると、結果と期待のあいだに開きが生まれます。
後悔の中身は、性能不足と期待のずれのどちらですか?
工事後の感想を伺っていると、変化そのものは起きているのに、想像していた変化と種類が違ったという話がしばしば出てきます。ここを分けて考えることが、後悔を減らす近道です。
実際に当社で内窓を設置したお客様からは、窓際の冷気をほとんど感じなくなった、朝起きたときの寒さが違う、エアコンの効きが良くなったという言葉をいただいています。この3つはいずれも、寒さが消えたという話ではなく、冷気の感じ方と冷暖房の効きが変わったという話です。
結露についても、ゼロになると考えないほうがよい
結露対策で内窓を設置した事例では、結露を大幅に軽減できたとお伝えしています。ここも軽減であって、まったく起きなくなるという意味ではありません。結露は窓の性能だけでなく、室内の水蒸気の量と外の気温差によって起きるためです。加湿器を使う量や部屋干しの頻度が変われば、同じ窓でも見え方が変わります。
この違いをあらかじめ共有できていれば、工事後に「まだ少し出る」という状態を失敗と受け取らずに済みます。当社が現地調査でお部屋の使い方まで伺うのは、この期待値をそろえるためでもあります。
もうひとつ、事前に共有しておきたいのが音の話です。当社が町田市のマンションで内窓を設置した事例では、結露の軽減とあわせて外の音が入りにくくなったことをお伝えしています。静かさを目的に工事を検討される方もいますが、これは窓の構成や隣の環境によって感じ方が変わる部分です。何を主目的にするのかをはっきりさせておくと、仕上がりの評価がぶれません。
変化を確かめるなら、比べ方をそろえておく
工事の効果を実感として確かめたいときは、比べる条件をそろえておくと分かりやすくなります。冬であれば、朝起きた直後に窓際と部屋の中央でどう感じるかを、工事の前と後で同じ時間帯に確かめます。光熱費で比べたい場合は、設定温度と運転時間をそろえたうえで、前の年の同じ月と見比べるという方法があります。
気温はその年によって変わるため、請求額の差がそのまま工事の効果とは限りません。それでも、体感の変化と数字の変化を両方記録しておくと、判断の材料は確実に増えます。当社では工事の前に、どの場面がどう変わってほしいのかを言葉にしていただくようお願いしています。
あなたの家では、どこを確認すれば見通しが立ちますか?
ご自宅の状況によって、先に確認すべきことは変わります。近いものを開いてご覧ください。工事の前に分かっていれば、避けられるずれがほとんどです。
窓際は寒いが、部屋全体も寒いと感じている
窓だけが原因とは限らないため、先に切り分けが必要です。窓際に立ったときだけ冷たさを感じるのか、部屋の中央でも寒いのかを分けて確かめてみてください。中央でも寒い場合は、壁や床、天井からの熱の出入りが関わっている可能性があります。現地調査ではこの点も含めて確認しています。
一部屋だけ工事しようと考えている
その部屋を閉じて使えるかどうかで結果が変わります。扉を閉めて過ごす寝室や書斎であれば、範囲を絞った工事でも変化を感じやすくなります。逆に、廊下や階段とつながったまま使う空間では、施工範囲の外の空気の影響が残ります。どちらなのかを先に決めておくと、工事の範囲も決めやすくなります。
光熱費がどれくらい変わるかを知りたい
前提条件のある試算として見るのが安全です。当社の冷房費シミュレーションは、削減率に3割の上限を設けたうえで結果を出しています。試算はあくまで目安で、実際の請求額は使い方と気候に左右されます。工事の前後で設定温度と使用時間をそろえて比べると、差が見えやすくなります。
見積もりを取る前に整理しておきたいことを見る
- いちばん困っている場面はいつか(冬の朝か、夏の日中か、結露か)
- その場面で困っている部屋はどこか、窓は何枚あるか
- その部屋を扉で閉じて使っているか、開けたまま使っているか
- 工事後にどうなっていれば納得できるか
確認の出発点を整理するための目安です。実際の判断は現地調査でご説明します。
図3:工事の前に確認しておく4つのこと
① 困っている場面を1つに絞る
冬の朝の冷気、夏の日中の暑さ、窓の結露のどれを解決したいのかで、優先する窓が変わります。
② その部屋の窓を数える
残した窓があると、そこから熱が出入りします。小さな窓も含めて数えておきます。
③ 部屋の閉じ方を確かめる
扉を閉めて使う部屋かどうかで、範囲を絞った工事の結果が変わります。
④ どうなれば納得できるかを言葉にする
体感の変化なのか、請求額の変化なのか。工事前に共有しておくと、判断の基準がぶれません。
出典:当社の現地調査でお伺いしている項目(2026年8月20日時点)
内窓の効果について、よくある質問は?
ご相談でいただくことの多い質問を5つにまとめました。効果の感じ方はお住まいの条件によって変わるため、実際の見通しは現地調査でご説明しています。
内窓を入れれば暖房は要らなくなりますか?
要らなくなるものではありません。当社の事例でいただいた声も、エアコンの効きが良くなった、朝起きたときの寒さが違うというもので、冷暖房を使わずに済むという内容ではありません。
窓を直したのに部屋が寒いのはなぜですか?
窓以外からの熱の出入りが残っている可能性があります。壁や床、天井の断熱は別の工事です。また、施工した部屋を扉で閉じずに使っている場合は、外の空気の影響を受けます。
光熱費はどれくらい下がりますか?
お住まいの条件と使い方によって変わるため、一律の数字はお伝えしていません。当社の冷房費シミュレーションは削減率に3割の上限を設けた試算で、結果を保証するものではありません。
結露は出なくなりますか?
当社の事例でお伝えしているのは大幅な軽減です。結露は室内の水蒸気の量と外気温の差でも起きるため、加湿や部屋干しの状況によって見え方が変わります。
工事の前に効果を確かめる方法はありますか?
現地調査で窓の大きさと枚数、部屋の使い方を確認したうえで、どの範囲まで変化が見込めるかをご説明しています。判断に必要な材料をそろえてからお決めいただけます。
効果が出る条件を自宅で確かめるには、何から始めますか?
困っている場面と部屋が決まれば、どこまで変わりそうかの見立てはお伝えできます。窓の写真とおおよその大きさをお送りいただければ、見積もりとあわせてご案内します。
窓まわりの工事でできることは窓の断熱について、部屋単位で考える場合は一部屋断熱についてにまとめています。効果の体感についてはよくある質問でもお答えしています。実際の工事内容は町田市南成瀬の施工事例でご覧いただけます。
※本記事に記載した内容は2026年8月20日時点のものです。効果の感じ方はお住まいの構造・窓の条件・生活の仕方によって変わり、記載の内容を保証するものではありません。シミュレーションの結果は前提条件のもとでの試算であり、実際の光熱費とは異なります。
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