省エネ住宅 高断熱住宅 夏の悩み 冬の悩み

戸建てのまるごと断熱の相場は?費用が決まる要素と進め方

戸建てのまるごと断熱の相場は?費用が決まる要素と進め方

家全体を断熱したい。そう考えたとき、いくらかかるのかがまず気になると思います。ところが調べても、金額の幅が広すぎて見当がつきません。

幅が広いのは、まるごと断熱という言葉が指す範囲が家によって違うからです。この記事では、費用が何で決まるのか、範囲をどう決めるのか、そして段階的に進める方法についてお伝えします。金額そのものより、金額が決まる仕組みを知っていただくほうが役に立ちます。

この記事は、日栄商工株式会社(屋号:プラスサーマル)代表取締役の末松 竜太が執筆しています。専門は断熱リフォーム・住環境改善です。2026年9月6日作成・最終更新/本記事は2026年8月時点の情報に基づきます/読了の目安 約7分
出典・参照:断熱リフォームのよくある質問当社施工事例(世田谷区・住宅全体の断熱)

戸建てのまるごと断熱は、いくらくらいかかりますか?

当社のよくある質問では、全面の断熱は数十万円から数百万円かかる場合もあるとお伝えしています。窓の断熱リフォームであれば数万円から対応できるのとは、桁が変わります。

幅が10倍以上あるのは、対象にする範囲が家ごとに違うためです。窓だけを家じゅうやるのか、壁や床、天井まで含めるのか。窓が10枚の家と25枚の家でも変わります。相場という一つの数字でお伝えできる工事ではありません。

図1:費用を左右する4つの要素

① 対象にする窓の枚数
家じゅうの窓を数えると、思っていたより多いことがほとんどです。小窓も1枚として費用に入ります。

② 窓の大きさと種類
掃き出し窓と小窓では価格が違います。引違いか開き窓かでも選べる製品が変わります。

③ 窓以外を含めるかどうか
壁・床・天井の断熱や遮熱施工を含めるかで、規模がまったく変わります。

④ 補助金を使うかどうか
国の制度は住宅1戸あたり100万円が上限です。自己負担は使えるかどうかで変わります。

出典:当社のよくある質問および先進的窓リノベ2026事業 公式ページ(2026年8月20日確認)

窓の枚数は、数えてみると想像より多い

家全体の費用を考えるとき、最初にやっていただきたいのが窓を数えることです。リビングの掃き出し窓や寝室の腰窓は思い浮かびますが、トイレや洗面所、階段の途中、押し入れの脇にある小窓は忘れられがちです。

内窓の費用は窓ごとに積み上がるため、枚数がそのまま金額に効きます。逆にいえば、枚数さえ分かればおおよその規模はつかめます。正確な寸法は現地調査で測りますので、まずは枚数と、掃き出し窓か腰窓か小窓かという分類だけで十分です。

まるごと断熱では、どこまで工事するのですか?

当社では住宅全体を対象にした工事をまるごと断熱としてご案内しています。窓だけを家じゅう行う形もあれば、窓に加えて遮熱の施工を組み合わせる形もあります。

世田谷区の戸建てで手がけた事例では、住宅全体を対象に窓断熱と遮熱施工を組み合わせた大規模なリフォームを行いました。範囲が広くなるぶん費用も上がりますが、家のどこにいても条件が揃うという違いがあります。

一方で、窓だけを直しても部屋の中央で寒さを感じる場合は、壁や床、天井からの熱の出入りが残っている可能性があります。まるごと断熱を検討される方の多くは、この状態を経験されています。

3つの区分の違い

図2:当社の3つのサービス区分

窓の断熱 困っている窓から手を入れます。窓の断熱リフォームであれば数万円から対応できるとお伝えしています
一部屋断熱 その部屋の窓をまとめて対象にします。扉を閉めて使う部屋なら変化を感じやすくなります
まるごと断熱 住宅全体が対象です。全面の断熱は数十万円から数百万円かかる場合もあるとお伝えしています

出典:当社のサービス区分および断熱リフォームのよくある質問(2026年8月20日確認)

窓以外が原因の場合は、まるごとでも解決しない

家全体の窓を工事しても、壁や床、天井、玄関からの熱の出入りは変わりません。まるごと断熱という言葉から「これで全部解決する」と考えてしまうと、期待とずれることがあります。

窓が原因かどうかは、窓際と部屋の中央で感じ方を比べると見当がつきます。中央でも同じように寒い、暑いという場合は、窓以外の要因が関わっている可能性があります。世田谷区の事例で窓断熱と遮熱施工を組み合わせたのも、窓だけでは届かない部分があったためです。現地調査ではこの切り分けを行っています。

予算に収まらない場合は、どうすればよいですか?

段階的に進める方法があります。困っている部屋から先に工事し、様子を見て範囲を広げていく形です。ご自宅の状況に近いものを開いてご覧ください。

長く過ごす部屋から始める

リビングや寝室など、滞在時間の長い部屋が優先候補です。当社が町田市南成瀬で施工した事例では、1階のリビングと書斎の2か所を対象にし、断熱の総額は660,000円、補助金は446,000円、工期は1日でした。

階ごとに分けて進める

1階から先に、というまとめ方もあります。生活の中心がどちらの階にあるかで決めてください。ただし階段でつながっている場合は、施工していない階の空気の影響が残ります。

補助金の期限を踏まえて考える

分けると2回目が期限に間に合わないことがあります。国の制度は交付申請が遅くとも2026年12月31日まで、予算上限に達した場合はその時点までと公表されています。補助を前提にするなら、まとめたほうが有利になる場合があります。

相談の前に整理しておくこと
  • 家じゅうの窓の枚数(小窓も含めて数える)
  • いちばん困っている部屋と、その場面
  • 窓以外でも寒さや暑さを感じる場所があるか
  • いつごろまでに工事を終えたいか

確認の出発点を整理するための目安です。実際の判断は現地調査でご説明します。

図3:範囲を決めるまでの順番

① 家じゅうの窓を数える
ここが分からないと、まるごとの規模が見えません。小窓も1枚として数えます。

② 窓以外の要因があるかを確かめる
部屋の中央でも寒さを感じるなら、壁や床、天井が関わっている可能性があります。

③ 一度にやるか分けるかを決める
予算と補助金の期限を並べて考えます。分けると2回目が間に合わないことがあります。

④ 現地調査で金額を確定する
窓枠の奥行きなど、実際に見なければ判断できない条件があります。

出典:当社の見積もりから工事までの進め方(2026年8月20日時点)

工事の日数についても触れておきます。当社が町田市南成瀬で2か所に内窓を設置した工事では、工期は1日でした。家全体になると窓の枚数が増えるため日数も延びますが、内窓は既存の窓を残したまま取り付ける工事なので、壁を壊したり足場を組んだりする必要はありません。部屋ごとに日を分けて進めることもできますので、生活への影響は抑えられます。

まるごと断熱について、よくある質問は?

家全体をご検討の方からいただくことの多い質問を5つにまとめました。費用はお住まいの条件によって変わります。

相場はいくらですか?

一つの数字ではお伝えできません。当社のよくある質問では、全面の断熱は数十万円から数百万円かかる場合もあるとお伝えしています。窓の枚数と対象にする範囲で大きく変わります。

補助金は家全体でも使えますか?

国の先進的窓リノベ2026事業の上限は住宅1戸あたり100万円と公表されています。範囲が広いほど補助額の合計も積み上がりますが、上限を超えることはありません。

家全体の工事でも住みながらできますか?

内窓の設置は既存の窓を残したまま内側に取り付けるため、お住まいのまま進められます。工事の範囲が広い場合は、部屋ごとに日を分けて進めることもあります。

窓だけでも家全体をやる意味はありますか?

部屋ごとの差が出にくくなるという違いがあります。一部屋だけ工事すると、扉を開けたときに他の部屋の空気の影響を受けます。ただし壁や床からの熱の出入りは窓の工事では変わりません。

まずどこから相談すればよいですか?

家じゅうの窓の枚数と、いちばん困っている部屋をお伝えください。全体でやる場合と部屋から始める場合の両方で、費用の方向性をご案内します。

家全体でできることを知るには、何から始めますか?

まるごと断熱で対象になる範囲は、当社のサービスページにまとめています。窓だけの工事や一部屋の工事との違いもあわせてご覧いただけます。

まるごと断熱について見る

住宅全体を対象にした工事は世田谷区の施工事例、範囲を絞った工事は窓の断熱一部屋断熱にまとめています。費用の内訳は実例で解説した記事、2部屋ぶんの考え方はこちらの記事でご覧いただけます。

※本記事に記載した内容は2026年8月20日時点のものです。費用は対象にする範囲・窓の枚数・建物の条件によって大きく変わりますので、正確な金額は現地調査後の見積もりでご確認ください。制度の要件・金額・期間は年度ごとに変わり、補助金には要件と審査があり、受給を保証するものではありません。

快適な住まいづくりに役立つ情報が満載!

関連情報